ミステリマガジン 2020年 07 月号 特集/藤田宜永追悼 : 早川書房
〈追悼記念再録〉Y10(ワイプラステン)の悲劇
フランスを舞台とした小説を多数発表した作者が、ハヤカワミステリマガジン誌で発表した短編小説で、ご本人の癌による急逝後、同誌追悼号に再録されました。息子を殺された元探偵が発見したのはスクラブルの駒だった…という導入のミステリーです。
〈アルファベット〉の悲劇というのはミステリー小説界では定番のオマージュですが、Y10と点数を付けることでスクラブル的な捻りが加わります。Yは4点では?という疑問も、作者の土台を考えれば納得がいきます。
この作品は残念ながら単行本未収録と思われるため、読むには掲載誌をあたるしかありません。同誌を揃えている図書館が確実ですが、Amazonで中古が出回ることもあるので、機会があればどうぞ。